印税で一億円稼ぐ-を読んだ
印税で一億円稼ぐためのノウハウ
著者の千田さんは本書で著作は78冊目。驚くべき著作数です。この方の考え方で優れていると感じたのは、作家さんなのに出版社側の視点、つまりビジネスの視点で著作を考えているところです。
1億円稼ぐには本が売れ続けることで達成できる。
というところにあります。
書きたい人はいっぱいいる世の中で、出版社がお金をだしてまで書いて欲しいと思う人がどれほどいるのか。
本を出させてもらわないと、スタートラインに立てないわけですね。
ミリオンセラーになるような本は狙って出せるものではないのかもしれませんが、とにかく著作が本屋に並ばないと話にならないってことをきちんと考える。
そういう工程にかかることについて、千田さんが実際の自分のこと例に出しながらおしえてくれています。
・何を書くか
・どうやって出版にこぎつけるか
・どうやって2作目、3作目にこぎつけるか
・ヒット作の効果
漠然と本を出したい、どうせ出すなら売れて欲しい、あわよくば作家になんて考えてていてもどうすればいいかわからない、そんな想いに答えるノウハウが詰まっています。
では紹介していきます。
はじめにプロフィールありき
名前が知られていない著者にとってプロフィールはすごく重要。
内容以前に「誰が書いたか」が問われる。とりわけビジネスやノウハウ書なら「自分が尊敬できる相手に面白いことを教わりたい」という認識で手に取られるという現実。
年齢・学歴・職歴・実績といった著者の情報で判断される。
なら、小説だってそうだ。どうせなら賞を取った作品や、有名な作家のものは当たらなくてもハズレが無いんだから、そちらを優先して手にとる。
いまは、本はあふれているしゲームや映画や音楽やその他のコンテンツも総じて供給過多、だから何より「時間」というリソースが大事になっている。そんななかで貴重な時間を割いてまで、ハズレはひきたくないという思いが強くなっている。
魅力的な人生を歩むことだ。
好きなことではなく得意なことを書く
処女作で増刷がかかると、2冊目以降が出しやすくなる。処女作が売れないと、もう声がかからなくなる。売れない本の著者は出版社にとって価値がない。出版社から本をだしてもらい書店においてもらうのは、出資してもらうのと同じこと。出資者に媚びる必要は無いが、出資にはリターンが必要。だからこそ売れる作品を書かなくてはならない。そのためには好きなことを書くのではなく、得意なことを活かして売れる作品を作らなくてはならない。売れたら信頼と実績がつみあがり好きな本も出せるようになる。
100冊で100万部
印税1億円というのは100万部分のこと、すなわちミリオンセラー。
ミリオンセラーの作り方は誰もわからない。だから1万部をきちんと売り切ることにこだわっていく。一発屋で終わらないようにする。
まとめ
いまはブログもあるし自費出版や電子書籍での出版もある。いろんな形で出版はありえる。千田さんの公開してくれたノウハウはいずれにも通じるようなエッセンスがちりばめられていて、読みながらワクワクした。これを知っていれば一冊で終わらなかった方たちだってきっといたと思います。
実際に100万部を売った本の著者にしか知り得ない貴重なノウハウ。
作家を目指す人には是非読んでいただきたい。